ショーウィンドウ

大阪国際芸術祭に映像のコンペがあると知り、思い切って作品を出してみた。
しばらくして採択の通知メールが届く。うれしい。
所用で大阪に居たので、そのままLUCUAへ。
ショーウィンドウの中にモニターが並び、様々な映像作品が流れてくる。
眺めていると自分の番が回ってきた。映像が流れた。

そういえば、小学生の頃。初めて学校の用事などではなく、描いた絵を飾ってもらったのは街の中にあるショーウィンドウだった。
人は通り過ぎていくけれど、自分の中の世界が外に繋がって、開ける感じがしてうれしかった。
次第に個展というものをしたくなった。
元町に海文堂があったころ、上の階にギャラリーがあった。どなたかの個展を見たことがあった。そこから個展を開くにはどういう準備が必要かを想像する。
まず自分の部屋にたくさん絵を並べる。
記帳用のノートとペンを置く。受付台を作る。掲示用のチラシを書く。
はじめての個展を開く。でも誰も来ない。
誰も来ないのに不思議な充実感がある。
どうしたらもっと見てもらえるのか、知ってもらえるのか。
子供ながらにずっと考えていた。
28年前の出来事。そんなことを思い出した。


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